大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 平成10年(オ)604号 判決 1999年7月16日

上告人

株式会社フジモト・ダイアグノスティックス

右代表者代表取締役

藤本邦介

右訴訟代理人弁護士

上坂明

北本修二

山本忠雄

安部朋美

同補佐人弁理士

伊藤武雄

被上告人

日本臓器製薬株式会社

右代表者代表取締役

小西甚右衞門

右訴訟代理人弁護士

品川澄雄

吉利靖雄

同補佐人弁理士

村山佐武郎

主文

原判決中上告人敗訴部分を破棄する。

前項の部分につき、被上告人の控訴を棄却する。

控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。

理由

上告代理人上坂明、同北本修二、上告補佐人伊藤武雄の上告理由第一点ないし第四点について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

同第五点及び第六点について

一  原審の適法に確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。

1  被上告人は、発明の名称を「生理活性物質測定法」とする特許権(特許番号第一七二五七四七号。以下「本件特許権」という。)を有している。

2  本件特許出願の願書に添付された明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲第1項の記載は、「動物血漿、血液凝固第因子活性化剤、電解質、被検物質、から成る溶液を混合反応させ、次いで該反応におけるカリクレインの生成を停止させるために、生成したカリクレイン活性には実質的に無影響で活性型血液凝固第因子活性のみを特異的に阻害する阻害剤をカリクレイン生成と反応時間の間に実質的に直線的な関係が成立する時間内に加え、生成したカリクレインを定量することを特徴とする被検物質のカリクレイン生成阻害能測定法。」である(以下、右記載の発明を「本件発明」という。)。

3  上告人は、原判決別紙目録(一)記載の抽出液(以下「上告抽出液」という。)及びこれを有効成分とする同目録(二)記載の製剤(商品名「ローズモルゲン注」。以下「上告人製剤」という。上告人抽出液及び上告人製剤を併せて、以下「上告人医薬品」という。)につき薬事法に基づく製造承認を受け、上告人医薬品を製造販売している。また、上告人製剤については健康保険法に基づく薬価基準への収載が行われている。

4  上告人は、上告人医薬品を製造するに際し、品質規格の検定のために、カリクレイン様物質産生阻害活性の確認試験として、原判決別紙目録(三)記載の方法(以下「本件方法」という。)を使用している。

二  被上告人は、本訴において、上告人が本件方法を使用して上告人医薬品を製造した上販売することは本件特許権の侵害に当たると主張して、(1) 上告人抽出液の製造の差止め、上告人製剤の製造販売の差止め及びこれらの宣伝広告の差止め、(2) 上告人医薬品の廃棄、(3) 上告人製剤について健康保険法に基づき収載された薬価基準申請の取下げ、(4) 上告人医薬品について薬事法に基づき取得した製造承認の申請の取下げ及び右製造承認によって得ている地位の第三者への承継、譲渡の禁止を求めている。

原審は、(一) 本件方法は、本件発明の技術的範囲に属する、(二) 本件発明は、概念的には方法の発明であるが、本件方法が上告人医薬品の製造工程に組み込まれ他の製造作業と不即不離の関係で用いられていることからすれば、実質的に物を生産する方法の発明と同視することができ、本件特許権は、本件発明を用いて製造された物の販売についても侵害としてその停止を求め得る効力を有すると判断した。その上で、被上告人の請求(1)のうち、本件方法を用いた上告人抽出液の製造の差止め、本件方法を用いた上告人製剤の製造販売及び宣伝広告の差止め、(2) 上告人医薬品の廃棄、(3) 上告人製剤について健康保険法に基づく薬価基準収載申請の取下げを求める限度で被上告人の請求を認容し、その余の請求を棄却した。

三  しかし、原審の判断のうち右(二)は是認することができない。その理由は、次のとおりである。

1  特許権者は、自己の特許権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の差止めを請求することができるところ(特許法一〇〇条一項)、特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有するから(同法六八条本文)、第三者が業として特許発明を実施することは、特許権の侵害に当たる。そして、特許発明の実施とは、方法の発明にあたっては、その方法を使用する行為をいうから(同法二条三項二号)、特許権者は、業として特許発明の方法を使用する者に対し、その方法を使用する行為の差止めを請求することができる。これに対し、物を生産する方法の発明にあたっては、特許発明の実施とは、その方法を使用する行為の外、その方法により生産した物を使用し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為をいうから(同項三号)、特許権者は、業としてこれらの行為を行う者に対し、これらの行為の差止めを請求することができる。

2  方法の発明と物を生産する方法の発明とは、明文上判然と区別され、与えられる特許権の効力も明確に異なっているのであるから、方法の発明と物を生産する方法の発明とを同視することはできないし、方法の発明に関する特許権に物を生産する方法の発明に関する特許権と同様の効力を認めることもできない。そして、当該発明がいずれの発明に該当するかは、まず、願書に添付した明細書の特許請求の範囲の記載に基づいて判定すべきものである(同法七〇条一項参照)。

これを本件について見るに、本件明細書の特許請求の範囲第1項には、カリクレイン生成阻害能の測定法が記載されているのであるから、本件発明が物を生産する方法の発明ではなく、方法の発明であることは明らかである。本件方法が上告人医薬品の製造工程に組み込まれているとしても、本件発明を物を生産する方法の発明ということはできないし、本件特許権に物を生産する方法の発明と同様の効力を認める根拠も見いだし難い。

3 本件方法は本件発明の技術的範囲に属するものであるから、上告人が上告人医薬品の製造工程において本件方法を使用することは、本件特許権を侵害する行為に当たる。したがって、被上告人は、上告人に対し、特許法一〇〇条一項により、本件方法の使用の差止めを請求することができる。しかし、本件発明は物を生産する方法の発明ではないから、上告人が、上告人医薬品の製造工程において、本件方法を使用して品質規格の検定のための確認試験をしているとしても、その製造及びその後の販売を、本件特許権を侵害する行為に当たるということはできない。したがって、被上告人が、上告人に対し、上告人医薬品の製造等の差止めを求める前記(1)の請求はすべて認容することができないものである(なお、本件訴訟の経過に徴すれば、右(1)の請求を、本件方法の使用の差止めを求める趣旨を含むものと解することもできない。)。

4  特許法一〇〇条二項が、特許権者が差止請求権を行使するに際し請求することができる侵害の予防に必要な行為として、侵害の行為を組成した物(物を生産する方法の特許発明にあたっては、侵害の行為により生じた物を含む。)の廃棄と侵害の行為に供した設備の除却を例示しているところからすれば、同項にいう「侵害の予防に必要な行為」とは、特許発明の内容、現に行われ又は将来行われるおそれがある侵害行為の態様及び特許権者が行使する差止請求権の具体的内容等に照らし、差止請求権の行使を実効あらしめるものであって、かつ、それが差止請求権の実現のために必要な範囲内のものであることを要するものと解するのが相当である。

これを本件について見るに、上告人医薬品が、侵害の行為に供した設備に当たらないことはもとより、侵害の行為を組成した物に当たるということもできない。また、本件発明が方法の発明であり、侵害の行為が本件方法の使用行為であって、侵害差止請求としては本件方法の使用の差止めを請求することができるにとどまることに照らし、上告人医薬品の廃棄及び上告人製剤についての薬価基準収載申請の取下げは、差止請求権の実現のために必要な範囲を超えることは明らかである。

したがって、被上告人の上告人に対する前記(2)及び(3)の請求も認容することができないものである。

四  そうすると、以上と異なる見解に立って、被上告人の前記(1)の請求の一部及び同(2)(3)の請求を認容した原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があり、この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。この点に関する論旨は理由があり、原判決中上告人敗訴部分は破棄を免れない。そして、前記説示に照らせば、被上告人の本件請求はすべて理由がないとした第一審判決は、結論において正当であるから、右部分に対する被上告人の控訴を棄却すべきである。

よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官福田博 裁判官河合伸一 裁判官北川弘治 裁判官亀山継夫 裁判官梶谷玄)

上告代理人上坂明、同北本修二、上告補佐人伊藤武雄の上告理由

(はじめに)

一 被上告人が如何なる主張を展開し、そのため、原判決が被上告人の主張に眩惑され誤謬の陥穽に陥ろうと、上告人は本件特許方法を実施する必要はなく、これを実施していないのである。

この事実は、当事者の主張、立証を検討し、第一審判決をみれば、ただちに明らかである。本件において、上告人が本件特許方法を実施しているとする積極的な証拠は全くない。

にもかかわらず、原判決は、上告人が本件特許方法を実施していると誤った判断に陥り、第一審判決を覆した。控訴審が第一審判決を変更するのであれば、その理由を説示するのが通常であろうが、本件では、第一審判決と異なる認定をした理由について何ら触れることがない。

原判決には、薬事法第一四条(医薬品等の製造の承認)、特許法第一〇〇条二項、健康保健法に基づく「薬価基準」の意義等の解釈を誤り、理由不備、採証法則違反、経験則違反の違法があり、速やかに破棄されるべきである。

二 1 原判決は、

(a) 「FN原液『フジモト』」および「ローズモルゲン注」(以下「上告人医薬品」という場合がある)のカリクレイン様物資産生阻害活性を有することを確認するため、上告人主張のイ号方法(以下、「イ号方法」という)を実施することは薬事取締法規に違反する、

(b) 右(a)の認定等からすれば、上告人がイ号方法を実施しているとは認められない、

(c) 本件特許方法の構成によらなくとも、カリクレイン様物質産生阻害活性を定量し得る方法が他に存在しているというということを認めるに足りる証拠はないし、その存在の可能性を窺わせるような証拠もない、

(b) 上告人医薬品は本件特許方法を用いて製造されている、

(e) 本件特許方法は、「物を生産する方法の発明」(製造方法)と同じく、本件特許方法を用いて製造された物の販売にまで、侵害停止を求め得る効力を有し、これに付随して、被上告人は、本件特許方法を用いて生産された物の廃棄を求めることができる、

(f) 上告人医薬品を薬価基準から削除するための措置を求めることは本件特許権に対する侵害の予防に必要な行為として許される、

等として、被上告人の請求を認容した。

2 右(a)の認定には、薬事法第一四条等医薬品製造承認の関連法規の解釈を誤った違法がある。

右(a)の判断の誤りの基礎には、原判決は本件のカリクレイン様物質産生阻害活性確認試験、すなわち、イ号方法及び被上告人が「ノイロトロピン特号3㏄」のカリクレイン様物質産生阻害活性の確認試験と主張している方法(以下、「方法A」という)を、定量方法であると認定したことがある。

本件のカリクレイン様物質産生阻害活性確認試験が、定量方法か、定性試験かという点には、第一審以来、争いがあった。にもかかわらず、原判決は、右争点に全く言及せず、かつ、何らの理由を付することなく、定量方法であると誤認したのである。

本件のカリクレイン様物質産生阻害活性確認試験を定量方法としたことが原判決の誤りの第一歩であり、この点、理由不備、採証法則違反の違法がある。

右(b)ないし(d)の認定は、いずれも、採証の法則に違反し、理由不備、経験則違反の違法がある。

右(e)には、特許法第一〇〇条二項の解釈を誤った違法がある。

右(f)には、健康保険法に基づく「薬価基準」(告示)の法的意義及び特許法第一〇〇条二項の解釈を誤った違法がある。

三1 原判決が破棄されるべきことは、原審記録により明らかであると信じるが、事案の理解を容易にするため、「FN原液『フジモト』」の医薬品製造承認書及び医薬品製造承認事項一部変更承認申請書(参考資料1、2。参考資料1の中に含まれている医薬品製造承認事項一部変更承認申請書には大阪府の収受印が押捺されていない。右の収受印が押捺されているのが、参考資料2である。)、「ローズモルゲン注」の医薬品製造承認書及びその医薬品製造承認事項一部変更承認申請書(参考資料3)を添付する。

医薬品製造承認書及びこれに関連する資料は、一般に製薬企業の最高度の機密であり(第三者がこれを見れば、後発品の製造承認を容易に取得できる)、被上告人も、資料の極く一部を提出するのみで、具体的なデータは秘匿している。

2 原判決は、イ号方法は、方法Aと比較して、

①LBTIを使用していない点、

②被検物質非添加群を設定していない点、

③カリジノゲナーゼ(腺性カリクレイン)の標準吸光度と比較している点、

の三点において相違し、いずれにおいても、薬事取締法規上具備すべき要件を充足しないと判示した。右判示によれば、この内容では、厚生大臣の製造承認を得られないはずである。

しかし、実際には、右②、③の点は、厚生大臣の当初の製造承認の内容に含まれていた。

原判決は、本件特許方法ないし方法Aでは阻害活性の正確な測定ができないとの指摘に対し、

「仮に『方法A』が精度的に完全なものでないとしても、『方法A』は既に控訴人医薬品の確認試験の方法として承認されているのであるから、……ここで『方法A』自体の精度を論ずることに格別の意義を見出すことはできない。」(原判決四五〜四六頁)

と述べた。

原判決の右説示部分と同じく、被上告人の主張にかかわらず、イ号方法は上告人医薬品の製造承認書の内容を発展させたものであって、方法Aとは直接の関連はないのであって、方法Aとイ号方法とを対比して論じることには今や格別の意義はない。

客観的事実と反する認定に至った原判決の論理に、基本的な誤りがあることは明らかである。

3 上告人は、平成四年二月二一日、上告人医薬品につき、厚生大臣の製造承認を得たのであるが、当初は、LBTIを反応停止剤として用いることとしていた。

LBTIを反応停止剤として使用することは公知の技術であり(乙第四号証、乙第七号証)、これを用いてカリクレイン様物質産生阻害活性の確認を行うこともこの分野の常識に属するもので、上告人はこのような技術が特許出願の対象となるとは考えてもいなかった。また、当時、本件特許は出願公告されていなかった。

4 上告人が、工業生産の準備に入ったところ、LBTIのロットによっては、予期に反し、反応が停止しない場合があった。そこで、原因を究明したところ、LBTIには四つの活性成分が含まれ、ロットによっては成分の比率が異なることに起因することが判明した。

そこで、上告人は、工業的生産の開始にあたり、LBTIを使用することなく、一次反応から直ちに二次反応に移行するイ号方法を開発し、これを実施してきたのである。

上告人は、上告人医薬品の製造承認書記載の確認試験と同等の結果が得られることを確かめてイ号方法を確立し、実施した。なお、方法Aについては被上告人の極秘事項であって、上告人はこれを知る由もなかった。

5 上告人医療品の製造承認書の方法とイ号方法との間には、前者がLBTIを使用することとしており、後者はLBTIを使用することになく直ちに二次反応に移行する点において相違があるが、阻害活性判定の原理・方法は同じである。

カリクレイン様物質産生阻害活性の確認の試験方法を医薬品製造承認書記載の方法からイ号方法に変更するには、上告人において、同等ないし同等以上の結果が得られることを確認しその根拠を記録しておけば足りるもので、厚生大臣の承認を受ける必要はない。

しかし、他の項目において医薬品製造承認事項一部変更承認申請をすることとなり、この際、大阪府、滋賀県、厚生省に対し、現に業として実施していることを報告し、イ号方法に変えることについても、併せて、一部変更承認申請をしたものである。

第一点〜第四点<省略>

第五点 本件特許権の効力として、上告人医薬品の製剤、販売等の禁止、製剤の廃棄を認めたことは、特許法第一〇〇条二項に違反する

一 1 原判決は、特許法第一〇〇条二項に基づき、上告人医薬品の製造、販売等の禁止、製剤の廃棄を認めたが、本件特許権による予防措置の範囲を越えたもので違法である。

特許法第一〇〇条二項は、物を生産する方法の特許発明について侵害の行為により生じた物の廃棄を規定している。

本件特許は、被験物質のカリクレイン生成阻害能測定法に関するものであり、物を生産する方法の発明ではない。

2 本件のカリクレイン様物質産生阻害活性試験は、複数の項目からなる確認試験の一項目であるに過ぎず、これだけで、本医薬品の確認・同定出来るものではない。

3 確認試験は医薬品の主成分等を確認するものであって、製造承認を得た方法と異なる方法で代用することが認められている。

乙第一四号証(厚生省薬務局監視指導課監修「GMP事例集」には、製造承認書記載の確認試験方法は、異なる試験方法で代用できることが明記されているところである。

例えば、乙第一四号証のS3―17の問答によれば、

「製造承認書記載の確認試験方法と異なる試験方法を、相関性等を十分に確認した上で原料の確認試験方法として用いてもよいか」との問に対し、「用いてもよい。」との答がなされている。

S3―18、19、20、22等でも、同様に、製造承認書記載の確認試験方法の変更が許されることが明らかである。

二 従って、本件特許に基づき、製造、販売等の禁止、製剤の廃棄を認めるのは、特許法第一〇〇条二項に違反する。

第六点 本件特許権の効力として、「ローズモルゲン注」の健康保険法に基づく薬価基準収載申請の取下げを命じたことは、健康保険法及び関連法令、特許法第一〇〇条二項に違反する。

一1 原判決は、健康保険法に基づく薬価基準の収載申請は医薬品販売行為の準備行為であり販売目的を離れては意味をもたない行為であると認定するが、薬価基準の法的性質を誤認している。薬価基準は、製薬企業が医療品を販売するため定められたものではない。

薬価基準は、健康保険法第四三条の六、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」、「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」、「保険医及び保険薬剤師の使用医薬品(告示)」に法的根拠を有する厚生大臣の告示であり、医療保険において使用できる医薬品の品目表たる性格と医療保険における薬剤費算定の際の価格表たる性格を有する。

薬価基準の品目及び価格は、保険医療機関又は保険薬局と保険者との関係を規定するものであり、製薬企業との直接の関係はない。

2 万一、「ローズモルゲン注」が薬価基準から削除される事態になれば、保険医療機関又は保険薬局がその所有する「ローズモルゲン注」を保険診療においては使用し、代金を請求することができなくなる。

直接的に影響を受けるのは保険医療機関又は保険薬局、患者、保険者なのである。

二1 本件特許方法は、既に述べたとおり、医薬品の確認試験方法の一項目であり、他の方法で代用できる方法である。

2 健康保険法に基づく薬価基準収載申請の取下げを命じることは、薬価基準の法的性質の解釈を誤ったものである。

また、本上告理由第五点で述べたのと同様の理由から特許法第一〇〇条二項により認められる範囲を逸脱している。

(添付書類省略)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例